2020年3月10日火曜日

2020年3月10日 日経夕刊2面 ●就活のリアル 説明会や面接ウェブ化 時間に余裕しっかり企業研究

ハナマルキャリア総合研究所の上田晶美代表による就活実務編の解説である。「新型コロナウイルス対策の影響は社会全体に強烈なインパクトを与えている」中で、「3月1日の就活情報の解禁日に説明会の予定がビッシリ入っていたのに、急にすべてが中止となり戸惑っています」と、「就活生から困惑の相談が押し寄せている」とし、「小中高等学校の休校に倣って登校を禁じている大学もあり、学生は孤立無援状態だ。」としている。
これに対し、「この事態が就活業界に歴史的な大転換をもたらす予感もある。ウェブ化である。説明会はウェブ配信になり、面接はウェブ面接へと、非対面にとって代わられそうな勢いを感じる。もちろんここ数年、その流れはあったのだが、ここまでドラスチックな変革は予想できなかった。」としている。
「混乱しているのは学生だけでなく会社側も同じである。」し、「ウェブ説明会は一方通行で質問できないことが一番の心配である」としているものの、「ウェブ化はマイナス面だけではない。プラス面を探してみるならば、一番大きな点は面接に行く移動の時間と費用がかからないことだ。就活にかかる費用のトップは交通費である。特に地方在住の学生には朗報である。」としている。
そして、「経済面と時間の余裕を見込むことができる」ので、「今やるべきことは何か。しっかりと企業研究を進めることだ。」とし、「じっくり企業のホームページを読んでウェブ説明会に参加し、エントリーシートを出すことだ。」と言し、todoリストに「加えることがあるとすればウェブ面接の練習くらいだ。企業も学生もお互い試行錯誤の解禁日となった。しっかり乗り切りたい。」と結んでいる。

実務編なら、まず、最も重要な事を記すべきではないか。それは、来年春に向けた就活は、これまでとは様変わりになり、リーマン・ショック後に訪れた就職氷河期の再来の先駆けになるリスクがあることである。すでに、経済活動の自粛に加え、株価も暴落して、大きな不安が渦巻いている。中小企業をはじめとする倒産は避けられず、経済情勢や企業環境は、様変わりの状況になる可能性が高い。「空前の人手不足」とされてきたが、今後は、「空前の仕事不足」になる可能性があることを、頭に叩き込んでおく必要があろう。
また、記事にもあるが、「特に地方在住の学生には朗報」とされるウェブ化は、一方で、東京都内の大学の学生の優位性を失わせる。来春に向けた就活には、心して臨む必要があると思われる。
記事での「todoリスト」は、この連載の以前の記事にかかるもので、当ブログでも論評している。
https://kubonenkin.blogspot.com/2020/02/20200204NY02.html
上田氏は、付け加えるのは「ウェブ面接の練習くらい」としているが、上記のように就活の環境が激変しているのに、少々甘すぎるのではないか。
学生は、まずWEB面接について、できるだけ多くの情報を集めるべきである。「練習」だと、カメラ映りをよくしましょうとか、応対をハキハキしましょうとか、末節の話が出てくると思うが、そんなことよりも、まず仕組みをよく知る必要がある。ネット上にも様々な情報があると思うが、例えば、次のような知識が必要であると思う。
https://it-trend.jp/online_job_interview/article/612-0002
https://boxil.jp/mag/a5587/
これらは一例に過ぎないが、学生目線とは違うのが、お分かりだろうか。そう、これは導入する企業に向けたセールス資料である。「仕組み」を理解する上では、企業目線に立つ必要があり、企業側でのメリット・デメリットにも、目を向けられるわけである。
また、自分自身の情報を発信する努力も必要になるだろう。これについても、次のブログで言及している。
https://kubonenkin.blogspot.com/2020/03/20200302AA27.html
可能なら、是非、この機会に自己紹介の動画をネットにあげてみて欲しい。学生が企業の情報を求めているのと同様に、企業も学生の情報を求めている。お互いのコミュニケーションが強化されれば、ミスマッチも少なくなるだろう。

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