2020年1月24日金曜日

2020年1月23・24日 米国企業年金会議(米国ロサンゼルス)

米国の企業年金制度と401(k)制度の最新状況についての会議が行われ、参加した。
会議日程と各パートの概要は、次の通りである。
 http://www.ne.jp/asahi/kubonenkin/company/20200123conference.pdf
この会議に参加した理由であるが、米英の企業年金では、給付建て(DB)制度が衰退し、掛金建て(DC)制度が主流となっている。そのためか、国際年金会議への米英の年金専門家の参加が非常に少なくなっており、その少数の参加者の発表にも、あまり参考になるものが感じられない状況であった。
今回のこの会議は、米国内のアクチュリーや専門家を対象としたもので、ワークショップの議題を、DCとDBとで半々にしていることから、米国の企業年金の現状を知る上で参考になるのではないかと考えた次第である。
感想として、議題は多岐にわたり、米国企業年金の最新状況を知ることはできた。ただ、当然の事ながら、米国内の専門家を相手にしているものなので、非常に細かい点にまで言及しており、部外者としては分かりにくいものも多かった。また、DCとDBとで半々ではあったが、DBの衰退が随所に感じられる内容であった。それでも、米国企業年金の最新状況を理解する上では、貴重な機会であった。
参加者数は、プレゼンターも含めて、リストでは約170名であったが、会議後援の会社も含まれており、実際の専門家の参加者は、100名程度ではなかったかと思われる。各会議では、聴衆側の中央にマイクが設定され、質問があればプレゼン中でも自由に発言できるようになっていた。また、参加の専門家(全米年金専門家・アクチュアリー協会の会員や登録アクチュアリーなど)に対して、継続教育の単位が付与されることとなっていた。
2020年1月24日 ★ロサンゼルスの交通事情(続)

前回の「ロサンゼルスの交通事情」について反響があったので、補足しておきたい。
追記するのは、ロサンゼルスのホテルからロサンゼルス国際空港(LAX)までのタクシーについてである。

宿泊したのは、Hilton Los Angeles/Universal Cityであったが、このホテルはロサンゼルスの名物観光施設のUniversal Studioに隣接しており、歩いても10分とかからない距離にある。当初、このホテルで会議が行われるのは、さすがにワーク&バランスを考えた欧米人らしいと思ったが、実際には参加者はほとんど単独で、配偶者などの同行はなく、会議の前後にUniversal Studioに立ち寄った形跡はなかった。
ちなみに、Universal Studioは大阪にもあり、行ったことがあるが、大混雑だった。ロスのUniversal Studioは、何十年も前に家族連れで訪れたことがあるが、アトラクションも新設・入替で、今ではまったく別物である。
これについて、ロス空港の入管で、宿泊ホテル名を見た職員が、「Universal Studioには行くのか?そりゃあ遅すぎるだろう。今から行ったって満員だぜ。」と言われて驚いた。到着したのは平日水曜日の朝9時で、ホテル到着も午前中だったから、Universal Studioを見るのには支障はないと思っていたからである。
実際には、ホテルに到着して、無料のシャトルバスで向かったところ、日本の感覚では、ガラガラの状態だった。疲れ果てていて入場できず、結局、その後も時間がなくて外側の観光・飲食施設を回った程度であったが。

以上で、長々とホテルについて書いたのは、ロス市内のヒルトンは別格でも、この郊外のホテルもヒルトンの名にふさわしい高級ホテルで、隣接ホテルのシェラトンとともに、Universal Studioまでのシャトルバスを共同運航しているような格式であることを伝えたかったからである。さて、そのホテルで、タクシーのピックアップは、どうだったのか。
会議日程の最後までいるとフライトの時間的余裕がなくなるので、少し早めに切り上げることとし、念のために、ホテルにタクシーを予約しようとしたところ、「タクシーは、呼べば20分くらいで、いくらでも来るよ」と言われた。まあ、呼べば迎車料金がかかるかもしれないので、出発予定の15時の20分前からホテルの前で待つことにした。

ところが、待っても待ってもタクシーが来ない。先着の乗客が2名いたが、彼らもイライラしながら待っている様子だった。そのうちに、何人かがホテル玄関に現れ、Uberに乗って、さっさと行ってしまった。さすがに気になって聞いてみると、シェラトンの方で大規模な会議があり、そちらにタクシーをとられているらしいとのこと。当方としては、とにかく待つしかないが、ホテルの担当者も、さすがに気になったようで、何回か電話をかけて、知り合いのタクシーに回ってもらうようにしていた。結局、乗車できたのは15時20分頃で、40分近く待っていた。その上に、一つ前の乗客がダウンタウンまでということで、我々に譲ってくれた上での話である。

これが、米国有数の高級ホテル・チェーンで起きたことである。どう考えても、走っているタクシーの数が少ないとしか思えない。我々もUberを使えばよかったのだが、登録には携帯番号が必要であり、旅先では登録が難しかったことがある。また、Uberの運転手は基本的には素人で、プロのタクシー運転手の方が良いと思った点もあるし、万一の事故の場合のことも考えた結果である。空港までの運賃は来た時と同じ110ドル(チップ込み)だった。なお、次男が米国サンノゼに在住しているが、その嫁は、タクシーには乗ったことがなく、乗り方も分からないという。Uberなどが当たり前だそうである。

また、ロスでは、2028年にオリンピックが予定されており、空港の整備もその一環だそうであるが、タクシー運転手によると、「オリンピックは政治家の領域」で、ロスには家賃高騰によってホームレスが溢れているとのことだった。

ついでに、ロスの後はサンノゼの次男を訪ねたが、買い物などは次男のカードでしてもらい、後で日本から持参したドル現金で清算したが、「ドル札を見たり使ったりする機会はほとんどない」と言っていた。ただ、「チップに困るので、1ドル札は嬉しい」とのことだった。レストランなどでも、カードでの支払い時にチップを追加するのが一般的だが、いわゆる枕銭は、キャッシュレス化の進展の中で消滅しているのではないかと気になった。その背景には、環境保護の観点から、連泊の場合、シーツやタオルの取り替えを抑制していることもある。

以上が、追記である。なお、キャッシュレス化については、次の記事も参照されたい。
https://kubonenkin.blogspot.com/2020/01/20200131NA27.html