2020年1月17日金曜日

2020年1月17日 日経 夕刊 3面 「世界最高の国」ランク、首位スイスで日本は3位

米誌「USニューズ&ワールド・リポート」が発表した2020年の「世界最高の国」ランキングで日本は3位となった、という記事である。「2019年調査の2位から順位を1つ落とした」そうである。「スイスが4年連続首位となったほか、上位10カ国には、ドイツや英国、スウェーデンなど欧州勢が目立った。」という。

元の米誌ソース(https://www.usnews.com/news/best-countries/overall-rankingsを見てみよう。「Overall Best Countries Ranking」の評価基準は、「ペンシルベニア大学ウォートン校の研究チームなどが開発した評価モデル」に基づくものだそうであるが、次のようになっている。
 アドベンチャー(2%)、市民権(15.88%)、文化的影響(12.96%)、起業家精神(17.87%)、遺産(1.13%)、発動機(14.36%)、ビジネス向け(11.08%)、権力(7.95%)、生活の質(16.77%)
内容の分かりにくい項目もあるが、日本の場合、次の評価となっている。
 Adventure:3.2(34位)、Citizenship:5.0(17位)、Cultural Influence:7.0(6位)、Entrepreneurship:9.3(2位)、Heritage:7.0(10位)、Movers:7.8(5位)、
 Open for Business:5.7(25位)、Power:6.2(7位)、Quality of Life:6.5(14位)
4年連続1位のスイスは、次のようになっている。
 Adventure:5.1(14位)、Citizenship:9.3(7位)、Cultural Influence:5.6(10位)、Entrepreneurship:8.8(5位)、Heritage:3.2(31位)、Movers:4.5(19位)、
 Open for Business:9.22位)、Power:3.0(13位)、Quality of Life:8.8(7位)
見比べてみると、日本の場合、Entrepreneurship(起業家精神)の順位が高いが、その内容は、「世界の他の地域と繋がり、教育を受けた人口、起業家精神、革新的で、資本への容易なアクセス、熟練した労働力、技術的専門知識、透明なビジネス慣行、よく発達したインフラ、よく発達した法的枠組みを提供します。」となっている。文化的影響や権力も、順位が高い。

この手の世界ランキングには、日本も、かつては血道をあげて順位を上げようとしたことがあった。今回の順位に、15位の中国や20位の韓国は、不満をもらしているそうである。一つの基準に過ぎず、世界最高の国第3位と言われてもピンとこないが、順位の高い点を大事にするだけでなく、順位の低い点に改善の余地がないのかどうかを吟味するという当たり前のことが、有用利用ということになるだろう。