2020年3月2日月曜日

2020年3月2日 朝日朝刊27面 ●就活解禁、でも会えない 感染対策、ウェブ説明会は盛況 新型肺炎

「大学を来春卒業する3年生らを対象にした就職・採用活動の説明会が1日、解禁された。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、対面式のリアルな説明会が相次いで中止される一方、ウェブ上の説明会は盛況だった。異例のスタートを、企業と就活生はどう受け止めているのか。」という記事である。
「就職情報会社のマイナビがこの日、ウェブ上で開いた合同企業説明会には昨年より9割ほど多い256社が参加。視聴を予約した就活生の数は、2・5倍の約6万5千人にのぼった。」とのことである。
この状況に対し、三井住友海上は「自社に興味がなかった就活生との新たな接点が減ることを懸念。「ウェブを通じて出会えればいいが」と話した。」とし、早稲田大学3年の男子学生は「リアルな場でしか分からないこともあり、説明会やインターンがなくなったのはショック。ウェブでの面接や説明会が増えていくと思うが、対策をしないといけない」とコメントしているそうである。また、大学側の「4月後半からは面接も始まるので、感染拡大が続くと心配だ」「インターンシップの時期まで長引いてしまうと、次の学年にも影響が出かねない」との声も紹介されている。

確かに、異例の事態になっているが、新型コロナへの対応では、企業活動にも大きな影響が出てきており、正直、新卒採用どころではないのではないかと思われる。そもそも、新卒採用活動の早期化は、好況による人手不足を背景としたものであるが、新型コロナは経済を直撃しており、リーマン・ショックになぞらえる向きも増えている。売り手市場とされてきた就活の状況を一変させ、一気に、就職氷河期に転落する可能性すらある。
そもそも、3月にまで前倒しされてきた説明会やインターンは、就活前哨戦であり、1日インターンなどは、企業紹介を主目的とする学生との早期接触目的以外の何物でもない。採用数を絞るのであれば、実施する意味も乏しい。
様変わりの状況だが、地方の学生にとっては、悪いことばかりではない。濃厚接触を避けるためのウェブの利用は、遠隔地であることの不利を軽減させる。また、大学にとっても、就活が講義にもたらす悪影響を軽減できる可能性がある。もっとも、新型コロナが4月以降の講義に影響を及ぼす可能性もあるので、何とも言えないが。
では、学生は、どのような対応をしていけばよいのであろうか。考えた方がよいのは、ウェブ技術の習得・利用である。会社からの説明会だけでなく、自身の情報を発信する機会が非常に重要になることは間違いない。企業の中には、「エントリームービー」を要求しているところもある。「自己PR動画」の利用は、海外では一般的になってきており、今後は日本でも大いに活用されていくだろうし、現在の状況が、それを促進することは間違いない。
「エントリームービー」は、企業が要求するものであるが、「自己PR動画」は、自分から発信していくものである点に違いがある。前者は受動的であるが、後者は能動的である上に、IT知識があって活用もできることをアピールできるという利点がある。
「自己PR動画」の作成には、youtubeの利用が便利であろう。ネットで検索すれば、いろいろな作成方法が見つかる。iPoneからの作成・アップも可能のようである。
 http://iphone.f-tools.net/QandA/Move-YouTube-upload.html
iPoneの自撮りで作成した「自己PR動画」のURLを、エントリーシートに記載したり、企業へのアピールとして送信したりすれば、就活に大いに役立つであろう。画像も含め、自分の情報を提供する際には当然注意が必要であるが、少なくとも、この「自己PR動画」の作成方法を確認し、非公開のyoutube等で準備しておくことは、今の時期を有効に活用することになるのではないか。

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