2020年1月22日水曜日

2020年1月22日 日経 朝刊 7面 (中外時評)2050年からの警鐘

上級論説委員の藤井彰夫による論説で、1997年元旦からの連載企画「2020年からの警鐘」を振り返り、「当時から識者は少子高齢化の問題を指摘していたが、結局、抜本的な対策はとられず、昨年の国内出生数はついに90万人を割り込んだ」遠い将来に感じられた「2020年」がついにやってきた、という書き出しである。
そして、「問題の本質は、識者の多くが将来の危機を認識しながら、結局、改革が進まなかったことだ。少子高齢化も日本型雇用の行き詰まりも決して「想定外」の危機ではない。」としている。
そして、「給付抑制や増税など痛みを伴う改革は避けられない」とし、先送りしていけば、30年後には再び「わかっていたのになぜやらなかったのか」と後悔することにならないだろうか、と警鐘を鳴らすものである。

今に固執すると未来は展望しにくくなる。未来から今を考えると、今の課題が浮かび上がってくることになる。この記事の要点は、そこであろう。一方、日本の政財界のリーダーは高齢化している。30年後の2050年に、自らは生存していないと考える人も、少なくないであろう。なればこそ、若いリーダーが必要なのである。スウェーデンの環境活動家であるグレタ・エルンマン・トゥーンベリさんの切実な訴えが耳に入らないような年代の人では、もうダメなのである。そんな例には、事欠かない。米国のムニューシン財務長官は、「大学で経済を勉強してきてから、我々に説明してほしいものだ」と皮肉ったそうだが、情けないものであり、学問の意義も理解していない愚か者としか思えない。

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