2020年5月8日金曜日

2020年5月8日 日経夕刊9面 ●在宅就活、学生奮闘 志望見つめ直す機会に ウェブ面接に戸惑い
2020年5月10日 朝日朝刊1面 ●就活一変、戸惑う学生 コロナで説明会オンライン化

最初の記事は、「新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が求められるなか、来春卒業の学生たちが「在宅就活」に奮闘している。」というものである。
「対面での面接や会社説明会が軒並み延期や中止となり、自宅で戸惑いながら「ウェブ面接」や情報収集に取り組む。慣れない環境に企業側も手探りだが、志望先を見つめ直す機会にと前向きに捉える学生もいる。」としている。
「就職情報会社のディスコ(東京)が3月下旬に全国の企業を対象に実施した調査によると、新型コロナの影響でウェブ面接を導入した企業は24.1%で、もともと実施予定だった企業と合わせて36.0%に上った。ウェブセミナーを実施した企業は半数を超えた。一方で対面での面接を延期した企業は少なくない。」とのことである。
「ディスコの武井房子上席研究員は「ウェブ上でのやりとりには限界があり、人柄を重視する日本の新卒採用の現場で今後も導入が進むかは分からない」とみる。学生にとっては時間や場所の制約が小さく、企業との接点を増やせる利点があるとし「自分の知らない業界や企業にも積極的に目を向け、有意義な就職活動に生かしてほしい」と話す。」と結んでいる。

後の記事は、「例年夏にかけて本格化する大学生の就職活動が、新型コロナウイルスの影響で様変わりしている。会社説明会は軒並み中止され、対面での面接試験もめどが立たない。オンラインでの選考が急速に広がるなか、学生たちを支える大学も対応に追われている。」というものである。
「就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが各地で予定していた合同企業説明会も5月末まで中止になった。多くの企業は対面での説明会や面接を取りやめ、オンライン選考に切り替えている。」としている。「この前まで売り手市場だったのに、一気に採用が抑制されないかが気がかりだ」との学生の声も掲載されている。
大学側でも、金沢工業大のテレビ会議システムを使った履歴書の添削、明治大でのオンライン会議システムでのグループ相談会、近畿大でのホームページにウェブ採用に関する記事の掲示、神田外語大でのオンラインでの「OBOG交流会」、などの動きが出てきているそうである。
一方、「就職情報会社の学情が4月1~10日、来春卒業予定の大学生・大学院生を調べたところ、就職活動をしていない学生が34・9%と前年より21・6ポイント増えた。」という。「リクルートキャリアの調査によると、来春卒業する大学生の4月1日時点の就職内定率は31・3%と過去最高を更新する一方、企業側には採用活動を後ろ倒しにする傾向も出ている。」ともしている。
最後は、法政大の児美川孝一郎教授の「先輩と同じペースで考えなくていい。大事なのはまず落ち着くこと。冷静に対応してほしい」とのコメントで結んでいる。

まず、「この前まで売り手市場だったのに」とか「先輩と同じペース」といった甘い考え方は捨てることである。「高い内定率」という報道も一部にあるが、あくまでもコロナ・ショックより前の状況であり、何の参考にもならないので、焦る必要はない。
だが、「就職活動をしていない学生」の割合が高いのは、気がかりである。大学や企業が開催してくれる説明会やセミナーなどに参加することだけが就活ではない。そもそも、そのような受け身の就活の機会は激減している。大事なのは、自分自身で業界や企業の研究をし、興味を持った企業にホームページ上からアプローチしてみるといった積極的な行動である。この際に、大企業を中心にすることは、オススメしない。大企業には、同じように考える学生からのアプローチが急増しているはずで、採用担当者もイチイチ取り合ってはいられないから、公式の採用の日程や手法で進めていくはずだからである。
今の時期は、規模に関わりなく、関心の持てる企業に接触し、あわよくば内定を得ることに注力すべきである。そううまく運ぶとは思えないが、自分で行動して結果を生み出すことは、今後の就活においても貴重な経験になる。
焦る必要はないが、何もせずに無為に時を過ごしてはならない。そのことは、講義の受講なども含めた日常生活の万端に通じることである。

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