2020年2月13日木曜日

2020年2月13日 日経朝刊19面 (大機小機)TOPIXは出直し的な改革を

「2019年末、金融審議会市場ワーキング・グループの市場構造専門グループが市場構造の在り方の検討結果を公表した。」なかで、「注目すべきはTOPIXの在り方である。」という論説である。
「我が国の株価インデックスはTOPIX一色といっても過言ではない。」が、「TOPIXを構成するのは東証1部上場の全銘柄だ。もともと上場資格が緩いうえに退出基準も甘い。企業価値を毀損したゾンビ企業さえ生き残ると酷評されている。」という状況である。
「一方、米国株の代表的なインデックスにS&P500種株価指数、MSCI USA、FTSE USAがある。それぞれ構成銘柄数は505、637、614だ。我が国の市場規模は米国の約7分の1しかないのに、TOPIXの構成銘柄数は2000超である。いかにも特異だ。」というのである。
「我が国の株式市場の停滞を懸念する声が多い。要因の一つは、投資家よりも企業側を向いた市場運営にあると指摘されている。市場活性化に向けた改革の第一歩は、報告書の指摘を待つまでもなくTOPIXの出直し的な改革を断行することである。」と締めくくっている。

うかつな事に、私は、TOPIXについての問題意識を持ってこなかった。米国にも種々のインデックスがあると言っても、やはりS&P500種株価指数が主体であるし、日本では、日経平均連動ファンドという、指数対象の225銘柄の株価の平均値という、およそインデックス運用とはかけ離れたものまである始末なので、TOPIX以外の指標に警戒感を持っていたのである。
ということで、遅まきながら、金融審議会市場ワーキング・グループの市場構造専門グループ報告書「令和時代における企業と投資家のための新たな市場に向けて」(2019年12月27日)に目を通してみた。
TOPIXについては、9・10ページで、とりあげられているが、記事の論説で、「金融審のワーキング・グループ報告書は、TOPIXに次のような注文を付けた。現在の不十分な浮動株定義を見直し、流通時価総額(浮動株時価総額)を基準にすること、銘柄数に上限を設け定期的に入れ替えること、構成銘柄と市場区分とは切り離すこと、独立性やプロセスの公平性が担保される運営に努めることなど、踏み込んだ内容である。」とされている通りである。
もっともな内容であり、報告書には、「経過措置等」を記されているが、可及的速やかな対応が求められると言えよう。

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