2020年1月18日土曜日

2020年1月18日 日経 朝刊 1面 中国経済、高齢化の影 昨年6.1%成長に減速 迫る「団塊」退職、しぼむ内需
2020年1月18日 日経 朝刊 2面 (社説)中国は「国進民退」改め安定成長めざせ

「中国経済に少子高齢化の影が忍び寄ってきた」ことに関する記事である。「2019年の実質国内総生産(GDP)成長率は6.1%にとどまり、18年から0.5ポイントも縮小した。米国との貿易戦争が主因だが、生産年齢人口の減少による個人消費の弱含みも無視できない。」としている。
その背景には、「中国では1564歳の生産年齢人口は13年の10億人をピークに減り始めた。一人っ子政策で出産を抑えたため、総人口に占める生産年齢人口の比率は10年に75%まで上昇し、日本(ピーク時に70%)よりも高い。」という点がある。また、「60歳定年が中国では厳格に実施されており、仮に1559歳を生産年齢人口とすると22年からは毎年約1千万人(約1%)ずつ減る。」という状況もあるようである。
「未富先老(豊かになる前に老いる)」という言葉が現実問題となっており、「19年には中国社会科学院が「公的年金の積立金が35年に底をつく」との試算を公表した。」とのことである。

一方の社説は、この状況に対して、「中国が発表する公式統計には常に水増し疑惑が付きまとってきた」として、実態は、さらに厳しいのではないかと推測し、「国有企業の優遇と民業の厳しさを意味する「国進民退」」を改めるように求めている。

世界経済を牽引してきたとされる中国だが、その内実は、記事のように盤石なものではない。一方、「一人っ子政策」が批判されるが、国が貧しい状態の中では、養える国民の数にも限度がある。日本でも、太平洋戦争時の「産めよ、増やせよ」から、戦後は一転して「産児制限」が実施されることになった。国の経済力と養える国民の関係の例は、幕末のペリー来航の際に、当時の日本で生じていた赤子の間引きや姥捨状況は、開国して貿易で国を豊かにすれば解消するのではないかとも言われていた。当時の国民数は3千万人程度とされているが、1億円にも膨れ上がった状況からすると、一定の真実かもしれない。
ともあれ、急成長に伴う歪みは、日本も経験したことである。少子高齢化の重荷に、どのように日本が対処するのかは、世界中が注目している。その対処が中国にも参考になるようであれば、それは日本の世界的貢献の一つとなるであろう。

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