2020年3月24日火曜日

2020年3月24日 日経夕刊2面 ●(就活のリアル)エントリー社数の目安 コロナ影響考慮し多めに

ハナマルキャリア総合研究所の上田晶美代表による就活実務編である。「何社ぐらいエントリーすればいいものでしょうか?」との学生からの質問に対し、「学生が会社にエントリーする数はここ3年間毎年減り続けている。マイナビの調査によれば、2017年卒の3月の平均エントリー数は30.6社、18年卒は27.9社、19年卒は20.7社となっている。売り手市場による影響が大きいと思われるが、インターンシップで事前選考が進んでいることなど、選考手法の多様化も考えられる。」としている。
その上で、新型コロナウイルスの影響を受けている今年について、「エントリーは少なすぎても多すぎても納得内定に結びつかない危険性があるため、ある程度の目安は持っておいた方がいいと思う。」とし、その理由は、「そこから現実的な企業研究が始まるという側面があるからだ。」としている。
そして、「エントリーして説明会に行き、エントリーシートを提出し、筆記試験に受かれば面接に行けるというのが通常の就職試験のパターンになる。その面接も大手企業の場合は3回はある。それらの合否はもちろん会社側から出されるのだが、実は面接が進む過程で学生の方からも検討していくのである。」としている。
続けて、「自分のビジョンに合っている会社かどうか、働きやすい職場なのかどうか、実際に面接のために会社を訪問して、人や会社を見ながら、次の選考に進むかどうか、相性を見きわめていくものなのだ。受けているエントリー数が少なすぎると、その検討過程に入れる会社が少なくなってしまい、ミスマッチが起きてしまう危険性がある。」としつつも「手当たり次第、気になる会社にたくさんエントリーすればいいかというと、それはそれで弊害がある。広げすぎると企業研究が十分できずに内容の薄いエントリーシートになってしまう。通過できず、結局面接に行ける会社は一握りになってしまいかねない。」としている。
最後に、「エントリー数の目安としては今年も20社程度か」としつつ、「新型コロナの影響があり、ウェブでの説明会や面接が増えていることを鑑みると、少し多めにエントリーする方がいいように思う。」と結んでいる。

言っていることは間違いないと思うが、平時の対応という気がする。今や、コロナショックで、就活は非常時のものとなった。「2017年卒の3月の平均エントリー数は30.6社」はおろか、はっきり言って、手当たり次第くらいのエントリーが必要であろう。
もちろん、「広げすぎると企業研究が十分できずに内容の薄いエントリーシート」になる懸念はある。しかし、今年については、「入りたい会社」の前に、「入れそうな会社」を確保することが、最も重要になる。それくらいに、就活をめぐる状況は激変する。
そもそも、エントリーシートには、何を書くのか。次のリクナビの資料を見てみよう。
https://job.rikunabi.com/contents/entrysheet/4570/
この中で、企業によって異なるのは、「志望動機」のみである。後は、企業によって様式が異なる場合はあるだろうが、基本的に同じで構わない。はっきり言って、20社に絞ろうと、50社にしようと、大して手間はかからないのである。
そもそも、その志望動機にしたところで、ほとんどの学生が自社の事など知らないのは、企業にだって分かっている。だから、付け焼刃のもので構わない、ただ一つ重要なのは、学生が自社の事を何も調べずに応募しているのかどうかである。したがって、最低限、その会社のHPとかに目を通し、自分なりに関心を持った仕事の事を加えた方がよい。
もっとも、大会社の場合、何を書いても大学名などで選別してしまうことはあり得る。だから、エントリーシートが通過したかどうかに、過度に重きを置く必要はない。縁がなかったものと考えて、割り切ればよい。とにかく、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」「犬も歩けば棒に当たる(良い意味の方)」なのであるから、玉は、沢山打った方がいいのである。
ただし、一つだけ留意点がある。自分が、応募した会社に出した書類や、その結果は、きちんとファイルして残しておくべきである。その会社のHPの概要も綴じておくとよい。また、面接などに進んだ場合には、その日時、場所、相手方、内容など、いわゆる5W1Hの区分にそって簡記したものを残しておく方がよい。数が多いと、きちんと記録に残しておかないと混乱するからである。
また、内定に向かって順調に進んでいると思える場合であっても、常に、他の候補先や応募可能先はないか、気を配るべきである。うまく進んでいるのに、相手に悪いとか思う必要はない。他にも検討しているか聞かれた場合でも、「御社に絞っています」くらいのことは言って構わない。逆に、学生が企業に他の学生の採用も検討していますかと聞いた場合、「君だけです」というのは明白なウソであり、そうでなければ採用担当は務まらない。もし、それでも気になる(就活に失敗する可能性大だがの)場合には、公務員試験にはチャレンジしていますと言えばいいだろう。
最後に、もう一度言う。エントリーは、可能な限り多くすべきである。ただし、応募先は、きちんと自分で管理すること。後になって焦って数を増やすと、次のリーマンショックの時のような事態に、なりかねない。
https://news.careerconnection.jp/?p=86782

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