2020年2月9日日曜日

2020年2月9日 朝日朝刊1面 (2020米大統領選 分極社会)若者が支える、78歳革新派 広がる貧富の差、怒り
2020年2月9日 朝日朝刊2面 (2020米大統領選 分極社会)「OK、ブーマー」世代間の確執 若者「気楽に生きて富を独占」

最初の2つは、今年2020年11月の米大統領選に向けた状況についての特集記事である。
1面では、「収入にかかわらず、すべての米国民が高等教育を受けられるようにすべきだ。公立大学の無償化と学生ローンの免除をともに実現しよう」とする民主党の大統領候補を目指すバーニー・サンダース上院議員(78)が、若者から支持を集めている模様が報じられている。
「サンダース氏の主張は、米社会では「極端」と受け止められがちだったが、ここに来て勢いを増す。支えるのは、若者だ。」という。「富裕層に高い税金を課す税制政策を最も評価している。ほかの候補は口だけ。ちゃんと実行できるのはバーニーだけだ」という意見も記されている。「米国の若い世代には「将来に希望が持てない」との思いが広がる。こうした閉塞感(へいそくかん)が、大統領選の行方を左右する可能性がある。」というのが、1面記事のしめくくりである。

一方、2面記事では、「米国社会を形作るのに大きな役割を果たし、経済成長などのメリットも最大限に受けてきた」1946~64年に生まれたベビーブーマーたちに対して、
「同じような恩恵が受けられず、閉塞(へいそく)感が強まる若い世代からの突き上げも強い。」としている。
「気楽に生きてきた上の世代は富を独占し、気ままに生き続けられるシステムを作り上げた。犠牲になるのは若い世代」というのが若者たちのミレニアム世代であるのに対し、「我々の世代が子育てに失敗した。若い世代は自分から何かを勝ち取ろうとせず、なんでもただで与えられると思っている」というのが、ブーマー世代の言い分だそうである。

上記のような世代間の考え方の違いを象徴するのが、「学生ローン」であるが、東洋経済オンラインは、「アメリカを静かに殺す「学生ローン」という爆弾ーローンの総額がついに1兆ドルを突破」として、この問題の深刻さを報じている。
https://toyokeizai.net/articles/-/319779
このように米国の学生ローンの負担が高騰した背景には、ローンを担う「サリー・メイ」が、当初は政府支援機関として設立されたが、完全に民営化されたことがある。すなわち、市場経済の論理が直接的に反映されているわけである。
この学生ローンの負担は大きく、その返済のために、多くの理数系の学生が収入の高いウォール街に流れたとか、返済免除となる軍に在籍したというような話もある。そもそも、それでも大学に行くのは、より高い給与を求めてという自己利益のためではあるのだが、このような状況では、高等教育の荒廃は、米国でも、さらに進むのではないかと危惧される。

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