2020年2月6日木曜日

2020年2月6日 日経朝刊2面 (迫真)惑う就活「新ルール」(4)「採用弱者」中小の逆襲

「就活の前倒しが進み、最近は学生の動きが読めない」と「中小企業の採用担当者は頭を抱える」との書き出しの記事である。「リクルートワークス研究所によると、2020年卒の求人倍率は従業員300人未満の企業で8.6倍。5千人以上(0.4倍)との格差は大きい。大手が通年採用に本格移行すれば一段と難しくなる。」という。
これに対して、「「採用弱者」とされる中小企業も、ただ手をこまねいているわけではない。」として、二つの事例を紹介している。
一つは、システム開発の日本ナレッジ(東京・台東)による「地方の大学生や専門学校生に照準」である。「脱東京」に活路を求める、としている。
もう一つは、板金加工の浜野製作所(東京・墨田)で、「これまで一緒に仕事をした全国の大学や高等専門学校の先生を通じ、インターンシップに参加する学生を募る。」としている。このインターンは、「4人の学生を前後半に分けて約1カ月間受け入れ」だそうで、「1~2日で終わる短期間インターン」とは、まったく別物だそうである。

新卒一括採用で、数を集めて、自社流に染め上げていくという採用活動は、大きな曲がり角を迎えている。入社後に「育てる」と言われているが、それは自社の都合のよいように教育するものであって、合わない学生の離職率は、3年で3割とも言われている。
上記の最初の事例では、「東京で文系の大卒を採用してエンジニアに育てても、すぐに離職してしまう」とのことだが、その仕事への適性や興味がなければ、そうなるのは必然であろう。何とか内定を得たい学生の方も、「何でもやります」という態度を示すのだろうが、そう簡単にいくものではない。もっとも、どんな仕事でも簡単ではないのだが。
二番目のケースの「インターン」は、それが本来のものである。「1~2日で終わる短期間インターン」は、単なる顔合わせに過ぎず、仕事内容の理解につながるものではない。それは、人手不足の中の就活の事前活動に過ぎないが、経済活動が減速して人手不足が和らげば消え失せる仇花のようなものであろう。
今、新型コロナウイルスで、経済活動への影響が懸念されている。人命に関わるものであるのに、経済の事を気にする向きが少なくないのは、「地球環境より経済優先か」として「How dare you!」と一括したグレタさんに、また叱られそうだが、情報統制で新病を蔓延させた中国の政治リスクの顕在化の影響で、就活も大きな変化の節目を迎えそうである。

0 件のコメント:

コメントを投稿