2020年1月19日日曜日

2020年1月19日 日経 朝刊 39面 出せぬ辞表、退職代行で 「自分で話すのが筋だが…」


「会社を辞めさせてほしい」と申し出た社員に、社長が「仕事があるだろう。とにかく会社に来い!」と怒鳴るところから始まる記事である。結局、この社員は、「退職代行」の会社に頼り、「会社と全く接触しないまま退職が実現した。」そうである。

人手不足の会社の中では、この社長のような違法な退職抑止が行き渡っているように思われる。追い込まれた社員が、「退職代行」にすがる気持ちも、分からないではない。ただし、記事にあるように、「業者が会社と交渉をすると、弁護士法が禁じる非弁行為に当たる可能性がある」し、「代金を支払っても事態が進まないといったトラブル例」もあるそうである。
その会社で働く意欲をなくした社員を、無理やりに働かせるのは、拷問とも言える。社員側も、明快な意思表示をすべきだし、退職通知を「内容証明郵便」で送れば済むのではないかと思うが、拷問的引き留めは、悪徳業者による「たこ部屋」の強制労働と等しいものであるのだから、労働行政で取り締まるべきであろう。こうした労働者が、有償の業者に頼らなければならない状況を放置しているのなら、税金で食わせてもらっている労働基準監督署など、不要ではないか。

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