2020年4月26日日曜日

2020年4月26日 日経朝刊3面 国民年金保険料を減免 コロナで収入急減なら
2020年5月2日 朝日朝刊4面 国民年金保険料の免除、減収者向け基準緩和

いずれの記事も同じ内容であるが、日経の記事は、制度実施前の動向報道であるのに対し、朝日の記事は制度実施に伴う案内記事である点に違いがある。

日経記事は、「厚生労働省は国民年金の保険料について、収入が大幅に減少した人を免除や猶予の対象にしやすくする。新型コロナウイルス感染症の影響が広がり、国内に約170万人とされるフリーランスなどで収入が急減するケースが増えているため、基準を緩めて支援する。」としている。
「国民年金は自営業者やフリーランス、非正規社員などが加入する。加入者は約1500万人で、2020年度の保険料は月1万6540円。」で、「どんな人が免除・猶予の対象になるかは現在、2年前の所得で判断している。この場合、新型コロナによる影響を反映できないため、2月以後の月収が急減している人も対象に加える。」とのことである。
一方、「会社員らが加入する厚生年金も特例が設けられ、延滞金なしで保険料の納付猶予を受けられる。新型コロナの影響で売り上げが20%以上減少するなどした企業が対象だ。」としている。

朝日記事は、「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が減った人を対象に、5月1日から国民年金保険料の免除基準が緩和された。主な加入者の自営業者や非正規労働者、フリーランスは休業要請による影響を受けやすいためだ。学生を対象に納付を猶予する制度も合わせて緩和した。」というものである。
「大学や専門学校などの学生には、本人の前年所得が118万円以下なら国民年金保険料の納付が猶予される「学生納付特例」がある。今回、休業要請でアルバイトが減った学生もいることから、2月以降の所得が年間換算して118万円以下なら特例の対象にする。」としている。

詳しい案内は、日本年金機構に掲載されている。
「新型コロナウィルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について」
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.html
「【事業主の皆様へ】「厚生年金保険料納付猶予相談窓口」の設置について」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202004/20200422.html
このような報道に触れた場合には、必ず、該当機関の情報をチェックするようにした方がよい。ただし、制度実施後でないと参照することはできない。
なお、「厚生年金保険料納付猶予」については、注意すべき点がある。事業主には、事業主負担分のみならず、従業員負担分についても納付の義務がある。納付猶予は、両方の保険料についての措置であるが、従業員分は徴収していながら、納付猶予を申請する事業主も多いと思われる。万一にも、納付猶予のままで企業が倒産すれば、従業員分の保険料も納付されていない状況になり、将来の年金額に反映されないリスクがある。したがって、従業員としては、給与明細をきちんと保管し、自分の保険料が事業主に徴収されていることを証明できる状況にしておく必要がある。
倒産といった場合のみならず、過去には、事業主が従業員分を納付せずにネゴばばしていたケースもあった。事業主に徴収されたことが証明できれば、年金額に反映することとなるので、気をつけるべきである。

0 件のコメント:

コメントを投稿